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13 本との出合い

 「あぁ、コレ? 前に電話で話した本やん」
 「って事は……。あの読んで元気になったって言うてた?」
 「うん。」
 あっちこっち痛んだ本は、今にもちぎれそうなぐらいカバーが破れ、くたびれていた。
 そして、佐倉ちゃんの腕の中で、かばん以上に大事に抱えられている。
 
 あの日、突然の減給で不安を抱えてた比沙子。
 その不安と焦りが更に自分の苦しさを大きくしていた。
 この本で少しでも今の自分が元気になれるなら……。
 「その本、読ませてもらっても良い?」
 「貸す訳にはいかないけど、今だけだったら読んで良いよ」
 そう言って、そっと比沙子に手渡した。
 本は、かなり読み込まれてボロボロになっていた。
 佐倉ちゃんにとっては、お守りの様な尊大かもなぁ。
 不安になるごとに、すがる様にその本を開いてたのかな?
 表紙には、『なぜ私は 幸せでは ないのだろう?』著者ヴェルナー・クラークと書かれていた。
 比沙子は、もくじに目を通し、気になる項目からランダムにページをめくった。
 私も助けて欲しい!

 「佐倉さん。1番外来にお入り下さい」
 その時、待合室にアナウンスが流れて、ゆっくり佐倉ちゃんが立ち上がった。
 「順番が来たみたい」
 「そうやな」
 佐倉ちゃんの診察室に向かう背中を見送り、その本に目を落とした。

 非合理的思考と、合理的思考について表形式に幾つか例題を載せてあった。
 いくつかの項目に、自分にも思い当たる節がある。
 これって、今の私やなぁww
 気になる比沙子は、更にドンドン先を読んだ。

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