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6  電話

 福子と居るときは、少し落ち着けた様に思えた気持ちが、こうして家に1人居ることで、又自然と比沙子の心の中に不安が広がりつつある。

 その日の夕方のTVで、エジソンに憧れて自分も発明家になりたいと夢を持つ1人の男性についての番組がやっていた。
 その男性は、皿の端に突起物を2つ作り、その突起物にヤキトリの串を引っ掛け串を抜きながら食べられる『串抜き皿』と言う商品を作ったらしい。
 「私は、99個のゴミを作って来ましたが、それが今回やっと1つの商品になりました。」
 「長年の夢が叶って嬉しくて感謝の気持ちで一杯です。」
 比沙子には、この発明家のおじさんが凄く素敵で格好良く見えた。感動だぁ。

 この発明おじさんは、一見パッとしない姿で、どちらかと言えば胡散臭い印象を感じる。
 TV画面に移ってる汚く汚れた物置には、数多くの発明品だろうガラクタと、発明の為の材料だろう廃材が散乱している。
 紹介された失敗作は、どれを見ても馬鹿気てて可笑しな物ばかりだ。
 でも、この発明おじさんには、これらの全てが宝物で、この発明部屋には長年に渡って継続してきた発明おじさんのファイトや沢山のアイデアとか思いと夢が詰まっているんだろうな。
 この発明おじさんは、ずっとずっと自分を信じ続けて前を向いて頑張ってきたんだろうなぁ。
 そして、それと同時に、おじさんの夢を一緒のに信じて見守ってきた家族の暖かい気持ちが一杯映像を通じて伝わってきた。
 「素敵やなぁ。」
 なんだか比沙子もワクワクしてきた。
 発明おじさんみたいになりたい!憧れの存在に思えてくる。
 おじさん凄いよ。


 トルルルルルゥ・・・・。 トルルルルゥ・・・。
 その時電話が鳴った。
 「はい、もしもし・・・。」
 「なぁなぁ、久々にランチでも行かへん?」
 電話の向こうでは、近所に住む友人の1人である山口さんの声。
 「ランチなぁw 今、家計が厳しい状態でなぁww 行きたいけど。。 チョット難しいわぁw」
 一旦は断ったものの。
 「そうなんやぁ。 でも、ほら。 去年役員会で配ったお礼の商品券があったやん。アレを使ってファミレスでいいやん行こうよ。」
 そういえば、去年の役員のお礼にと配った商品券が、そのまま財布の中に残ってる。
 予想しなかった山口さんからの、連絡が少し嬉しかったのと、この外出が今の自分からの脱出にも思えて。。。
 出かけて見る事で、何か自分の中で変われるかもしれないって期待もあった。
 「そうやなぁ。行ってみようかぁ!」
 「うん。たまにはエエやん。じゃぁ佐藤さんも誘っとくわぁ。楽しみにしてるねぇ??♪」

 山口さんと、佐藤さんとは、去年同じように役員会の大役に当たった事で知り合い仲良くしてっもらっている。
 1年間とは言え、色々悩みながら一緒に頑張ってきた思い出が、ふと頭の中に浮かんだ。
 最初、会長って言う役に当たってしまった時は、自分に会長が勤まる訳なんてないww
 まるで自分が犯罪でも犯してしまったかのように、何か取り返しのつかない気持ちになって1週間ほど不安で寝むれなかったっけ。。。
 でも如何しよう。逃げる事も出来ないしぃ、やるしかないかぁww
 1つ1つ与えられた任務を頑張るしか他に方法が思いつかなくて。。。
 そうしてこの2人の副会長達に助けられ、他の皆の助けもあって、少しずつ悩みながらも100点とは言わずとも、自分なりに驚く程頑張れた気がする。
 予想だにしない苦しい事の連続で悪戦苦闘だったけど、楽しかったなぁ。。。
 ほんま必死やったよなぁ。 あの頃。 徐々に蘇る記憶。
 その記憶では、いつも頑張ってた過去の自分が居た。

 やっぱりランチに行くって返事してよかったぁ。
 一緒にあれこれ悩んだ仲間と居る事で、何か新しい良い知恵が浮かぶ様な気がした。
 此処から又頑張れるかも知れない。 比沙子は思った。

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